「集団感染が発生しました!」
ニュースでこんな言葉を聞くたびに我が身を心配してしまう季節になりました。
多くの人にとって、やはり「集団感染」というのは怖いものだというイメージがあると思います。
非常に強力な伝播力によって、瞬く間に広がっていくというイメージが。
本物のウィルスや最近を意図的に感染拡大させることはテロ行為になりますが、同じことが自分の商品・サービスで起こせたら、こんな凄いことはないと思いませんか?
この集団感染マーケティングの方法は(中略)個々人を対称にするのではなく、集団や組織の中の個人をターゲットにし、その仲間や同僚を芋づる式に呼び込んで、新規客を次々につくり、売上を伸ばしていく方法なのです。(p.3)
本書で説かれている集団感染マーケティングについては、広い意味で「お金をかけないで広告、販売促進を行う」というもので、まったく目新しいものというわけではありません。
しかし、ここで明示されているスタンスは他とは一線を画す基礎になり得ます。
それも、杉村さんが実践し結果を残してきたという裏づけ付きなのですから。
「おれの業界は厳しい。そんなことは通用しない」と。これは、失敗する人に必ず共通する典型的な考え方だ。いつでも「他人事」にし、いつも表面的なことばかり見ているから、いつまでたっても「自分のこととしては考えない」のだ。(p.171)
まさか、あなたはこんな思考回路を辿ったりしませんよね?
この種の実践的な書籍に対して低い評価をする人の中には、書かれていることがそのまま自分の状況に当てはまらない、ということのみに立脚する人も少なくありません。
本書で紹介されている実践例も、いくら杉村さんが結果を出されたとはいえ、業界が違えばそのまま使えないものが多数あるはずです。
いや、むしろそのまま使える事例などないかもしれません。
しかし、そんなことは当たり前です。
真似すべきは表面的な方法ではなくて、それらの底流に流れている本質や法則なのです。
私が編み出した営業方法は、1人の新しい客(個人、法人)から、「この人がなぜ顧客になったのか」をじっくり考えてみることだ。それは偶然であったのかもしれないが、ほとんどの場合、既存の何人かのお客さんを突き詰めて、仮説を立て、実験や検証分析を繰り返していけば、まさに大票田とでもいうべき新規客層の群れにぶち当たるのだ。(p.118)
例えば、多くの方は、たまたま検索結果から当ブログにご来訪いただいた方だとは思うのですが、その中の何%かの方がまた読みに来ていただける(お客様になっていただける)わけです。
どうして当ブログを定期的、継続的にお読みいただけるようになったのか、その点を突き詰めて考えていませんでした(今更ながら、それじゃあダメですよね)。
僕の長くはない営業時代においても同じで、当時は新規開拓をできたことを喜ぶ段階で止まってしまっていて、それを仕組み化できるところまで至れなった点に、未熟だった自分を感じずにはいられません。
ここにあることも、実は特殊な考え方ではありません。
新規顧客を見つけようとする際に、ビジネス書でよく言われる「なぜ?」の思考方法で問うべきポイントを正しく捉えられるかどうか、ということでしょう。
なぜ買ってもらえないのだろう?という分析をすることが間違っているとはいいませんが、それだけではダメなんですよね。
結局のところ、お客様を見つけ出し、商品やサービスを知ってもらい、買ってもらう行動に結びつけることがマーケティングです。
なぜ、杉村さんの方法がうまくいったのか、を考える視点で読み解くと、自分の業界やビジネスにも応用できるところが見つかると思います。
「今日、何もしなければ、今日と同じ明日がやってきます」
これは、SBIモーゲージの横山信治さんが『
仕事に幸せを感じる働き方 』で書かれていた言葉です。
今、効果的なマーケティングができていないのに、何もしないで明日から突然効果的なマーケティングができるはずはないですよね。
マーケティングにお悩みの方は、一読されるとよいでしょう。
ただし、その際は、くれぐれも以下の三つの注意点をお守りください。
一つは、「そうは言ってもおれの業界では…」という言葉だけはくれぐれも飲み込むこと。
もう一つは、マーケティングはスマートに格好よくなどと思わないこと。
最後に、効果のありすぎる手法だからといって悪用しようなどと思わないこと。
僕のこのメッセージが「
見せているつもりでも、本当は誰の目にもとまっていなかった (p.138)」ということにならないことを祈っています。
(実践的すぎるマーケティング本の紹介は、だからこそ難しいのです・汗)
※ 本書は著者の杉村晶孝様より恵贈いただきました。厚く御礼申し上げます。
■ 関連リンク 著者ブログ:
高等戦術研究室 Institute for the Advanced ■ 基礎データ 著者: 杉村晶孝
出版社: ダイヤモンド社 2010年10月
ページ数: 217頁
紹介文:
効果は新聞広告の30倍! しかもコストは7分の1。中小企業・自営業者も絶賛! 集団心理の盲点をつく「仕掛け」で爆発的に売る。大手企業でも実証済。衝撃のゲリラ手法を公開。
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