【書評】たった一人で組織を動かす 新・プラットフォーム思考
- 2010/01/14
- 14:00
「プラットフォーム」という言葉は経営戦略論としては目新しい言葉ではない。
本書でも紹介されているけれど、Wiiとプレステなどはプラットフォームとしての家庭用ゲーム機として競い合っているわけだし、楽天もインターネットショッピングのプラットフォーム(昔はポータルサイトと言っていた気がする)としての地位を築き上げて成功している。
こうしたプラットフォーム戦略は、「21世紀の勝ち組企業の経営戦略」と言われているそうだが、その定義を本書ではこう紹介している。
冒頭に上げた商品や企業のように、この戦略に基づいて展開されるビジネスを、プラットフォーム型ビジネスという。
要は、プラットフォームにさまざまな企業などを集め、顧客に対して魅力的なサービスを提供することが根幹。
本書では、その考え方を応用した例として、合コンの幹事の例で説明がなされているのだが、そのことからも分かるとおり、企業戦略だけではなく、勉強会などビジネスパーソンが主催し企画することのできる活動にも広く応用可能な考え方なのである。
そうと分かれば、このプラットフォーム型ビジネスを築き上げるための秘訣を掴み、自らの取り組みに活かしたいところ。
僕が参加している本魂!の主宰である村林さんに対して、著者の平野さんから「本魂!をプラットフォーム化しちゃいなよ」というアドバイスがあったそうだ。
※参考: 本魂!はブランド化できる:【ヨミアト】『たった一人で組織を動かす新・プラットフォーム思考』 by 村林さん
僕自身は何かを中心になって立ち上げているということはないけれど、村林さんの想いに共感して一緒に活動に参加している一人として、いろいろと考えるところを、また村林さんには伝えていきたい。
ところで、この勝てるプラットフォームの特徴というのは、『ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために』に書かれているような徹底的な差別化を図るということとも根底ではつながっている。
特に1番目の特徴を突き詰めて考える際のことなど、本書で説かれていることと『ザグを探せ!』で言っていることは全く同じである。
ビジネスモデルであろうと個人であろうと、共通して「勝てる要素」として確信して取り組むべき事項であることに間違いはない。
※参考: 【書評】ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために
少しプラットフォーム型ビジネスモデルに関する記述が長くなってしまったけれど、本書の主眼は、いかにしてプラットフォーム型ビジネスモデルを築き上げるかという点ではなく、こうしたビジネスモデルを成功させるために求められる「新・プラットフォーム思考をもつリーダーになりましょう!」というところにある。
このようなリーダーになるために実践すべきこと、心がけておきたいことなどを、平野さんの経験等を基にしながら具体的に解説してくれている。
ただ、決して特別なことを求められているわけではなく、どちらかといえば、この手の自己啓発書やリーダーシップ論などを読んだことのある人にとっては、一つひとつはどこかで見たことや聞いたことがある内容だったりする。
しかし、バラバラと色々は角度から入って散らばっていた考え方が、「新・プラットフォーム思考」というフレームワークの中で、一つの形を成していくような感覚を受ける。
一つの枠組みに沿って落としこまれていく中で、べたべたと付箋を貼りまくり、いちいち頷きながら読み進めたのだが、その中から、もっとも共感した部分を一つだけ紹介させていただこう。
実は、本書で示されている考え方を、少し立場を変えてみると、野村恭彦さんが『裏方ほどおいしい仕事はない!』で言っている「事務局力」とも通ずるところがあると感じている。
※参考: 【書評】裏方ほどおいしい仕事はない!
そして、僕は特性的に言って、「裏方」「事務局」という立場が向いているし好きなのではないかと自分では分析している。
表立ってリーダーシップを積極的に取りに行かなくとも、新・プラットーフォーム思考をもって「裏方」として物事を動かしていく… そんな道を歩んでいくための指針となる一冊だった。
これからの時代を担い、リードする人間になってやろう!という、がっついた若手ビジネスパーソンには是非お薦めしたい一冊。
もちろん、そこまでがっついていなくても、合コンで美味しい思いをしたいという邪な(?)動機で読んでも役に立つ(笑)
ただし、最後に平野さんが書いている「『人間力』がなければ、真の新・プラットフォーム思考リーダーにはなれない(p.218)」という言葉を忘れずに。
【関連リンク】
著者ブログ: ★平野敦士カールの新・プラットフォーム思考*アライアンスインサイト★
【基礎データ】
著者: 平野敦士カール
出版社: 朝日新聞出版 2009年12月
ページ数: 224頁
紹介文:
他人の力で“億”の成果を上げる、新しいリーダーの思考・仕事術!
Google、楽天、ドコモ、任天堂… 成功企業の社員が必ず備えているマネジメントとは?
”アライアンス”の達人が教える新時代の組織・チームづくりの秘訣!
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☆ビジネス書読みあさり☆: 今年3冊目『たった一人で組織を動かす新・プラットフォーム思考』
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こうしたプラットフォーム戦略は、「21世紀の勝ち組企業の経営戦略」と言われているそうだが、その定義を本書ではこう紹介している。
冒頭に上げた商品や企業のように、この戦略に基づいて展開されるビジネスを、プラットフォーム型ビジネスという。
要は、プラットフォームにさまざまな企業などを集め、顧客に対して魅力的なサービスを提供することが根幹。
本書では、その考え方を応用した例として、合コンの幹事の例で説明がなされているのだが、そのことからも分かるとおり、企業戦略だけではなく、勉強会などビジネスパーソンが主催し企画することのできる活動にも広く応用可能な考え方なのである。
そうと分かれば、このプラットフォーム型ビジネスを築き上げるための秘訣を掴み、自らの取り組みに活かしたいところ。
僕が参加している本魂!の主宰である村林さんに対して、著者の平野さんから「本魂!をプラットフォーム化しちゃいなよ」というアドバイスがあったそうだ。
※参考: 本魂!はブランド化できる:【ヨミアト】『たった一人で組織を動かす新・プラットフォーム思考』 by 村林さん
僕自身は何かを中心になって立ち上げているということはないけれど、村林さんの想いに共感して一緒に活動に参加している一人として、いろいろと考えるところを、また村林さんには伝えていきたい。
ところで、この勝てるプラットフォームの特徴というのは、『ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために』に書かれているような徹底的な差別化を図るということとも根底ではつながっている。
特に1番目の特徴を突き詰めて考える際のことなど、本書で説かれていることと『ザグを探せ!』で言っていることは全く同じである。
ビジネスモデルであろうと個人であろうと、共通して「勝てる要素」として確信して取り組むべき事項であることに間違いはない。
※参考: 【書評】ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために
少しプラットフォーム型ビジネスモデルに関する記述が長くなってしまったけれど、本書の主眼は、いかにしてプラットフォーム型ビジネスモデルを築き上げるかという点ではなく、こうしたビジネスモデルを成功させるために求められる「新・プラットフォーム思考をもつリーダーになりましょう!」というところにある。
このようなリーダーになるために実践すべきこと、心がけておきたいことなどを、平野さんの経験等を基にしながら具体的に解説してくれている。
ただ、決して特別なことを求められているわけではなく、どちらかといえば、この手の自己啓発書やリーダーシップ論などを読んだことのある人にとっては、一つひとつはどこかで見たことや聞いたことがある内容だったりする。
しかし、バラバラと色々は角度から入って散らばっていた考え方が、「新・プラットフォーム思考」というフレームワークの中で、一つの形を成していくような感覚を受ける。
一つの枠組みに沿って落としこまれていく中で、べたべたと付箋を貼りまくり、いちいち頷きながら読み進めたのだが、その中から、もっとも共感した部分を一つだけ紹介させていただこう。
実は、本書で示されている考え方を、少し立場を変えてみると、野村恭彦さんが『裏方ほどおいしい仕事はない!』で言っている「事務局力」とも通ずるところがあると感じている。
※参考: 【書評】裏方ほどおいしい仕事はない!
そして、僕は特性的に言って、「裏方」「事務局」という立場が向いているし好きなのではないかと自分では分析している。
表立ってリーダーシップを積極的に取りに行かなくとも、新・プラットーフォーム思考をもって「裏方」として物事を動かしていく… そんな道を歩んでいくための指針となる一冊だった。
これからの時代を担い、リードする人間になってやろう!という、がっついた若手ビジネスパーソンには是非お薦めしたい一冊。
もちろん、そこまでがっついていなくても、合コンで美味しい思いをしたいという邪な(?)動機で読んでも役に立つ(笑)
ただし、最後に平野さんが書いている「『人間力』がなければ、真の新・プラットフォーム思考リーダーにはなれない(p.218)」という言葉を忘れずに。
【関連リンク】
著者ブログ: ★平野敦士カールの新・プラットフォーム思考*アライアンスインサイト★
【基礎データ】
著者: 平野敦士カール
出版社: 朝日新聞出版 2009年12月
ページ数: 224頁
紹介文:
他人の力で“億”の成果を上げる、新しいリーダーの思考・仕事術!
Google、楽天、ドコモ、任天堂… 成功企業の社員が必ず備えているマネジメントとは?
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- 2010/01/16(00:39)
- ☆ビジネス書読みあさり☆